①  参考になる企業のビジネスモデルを研究する
②  4つの構成要素を分析してみる。更に3つの機能をチェックしてみる。
③  どこかに違う要素を加えるにか変化させるかで「差別化」を図る。
④  見える化のためビジネスモデルキャンパスに落とし込んでみる
⑤  ビジネスモデル構築のステップをしっかり踏むこと。実行に移すのは。成否を分けるのは勇気と強い志です。

1.ビジネスモデルとは、商品やサービスだけでなく、それを提供するビジネス全体で「差別化」し継続的な収益を獲得する仕組みのことです。
事業の事業戦略として「誰に、何を、どのように提供し、どこでどれだけ儲けるか」を示したものと言えます。
まず、基本とされるビジネスモデルには四つの大きな構成要素があります。そのポイントについてみてみます。

(1)Who:顧客
顧客は誰かということを明確にしなければいけません。既存顧客はもちろんのこと。その顧客が属する母集団やまだ顧客ではないがこれから顧客になりそうな、いわゆる潜在的な顧客を含むようにターゲットを設定していきます。
(2)What:提供価値
「なぜ対価を支払うのか」という顧客にとっての価値を明確にすることが重要になります。これはその商品やサービスの特徴や売りに直結する項目なので顧客の立場に立って考える必要があります。また単に顧客の需要を満たすものを提供するのも良いですが、できれば新たな需要を生むようなものを考えるべきです。
(3)How:プロセス
顧客への提供に至るプロセスも明確にしなければいけません。その仕組み、集客方法、提供方法、付加価値等も具体的に決定することです。
(4)Why:収益構造
自社がどのプロセス、機能で儲けるかということも重要です。どんなに良いサービスや商品があったとしても提供する自社の利益がなければ、破綻してしまいます。自社にとって収益性が高いか、また自社の強みが生かせるかということはよく検討する必要があります。

もう少し見方を変え ①生成機能 ②売上回収機能 ③商品サービスの提供機能から分析するとよりわかりやすいと思います。

①  生成機能には自社か外部をつかうかに分けてみます。
自社で作って自社で売る・自社で作って他社に売ってもらう。他社で作って自社で売る
自社で作る機能を提供する・自社で作る機能を提供し他社に作ってもらい自社で売る
どのタイプかを分類してみます。
②  売上回収機能
 回収する対象には、お金とお金以外のものがあります。回収法にも、「直接」と「間接」の2種類があります。間接的回収方法には、
・クレジットカード会社から回収する ・人材紹介会社から回収する
・従来は無料だった先から回収する(有料の人材紹介業など)
・広告主から回収する
・利用者の売上から回収する
・商品ではなく、会費で回収する(コストコ方式)
・商品ではなく、送料で回収する(アマゾン方式)
③提供機能
 貸す 売る 売る権利を貸す 代行する 預かる 教える等
機能を細かく分析するとビジネスの骨格が鮮明になります。

2.ここでは成功したビジネスモデルの例を3つあげてみます。

2-1.GoogleやFacebookのビジネスモデル|広告モデル
Googleの総売上高は、6600億ドル(日本円で780兆円)とすさまじく、このビジネスモデルを分類すると広告モデルとなります。実はFacebookも同じく、広告モデルを採用しています。
これらの企業の成功の要因はなんでしょうか? もちろん、色々な見方がありますが、何よりも利用者が多く、ユーザーが喜ぶサービスを心がけ、現在もなお利用者を増やしていることです。利用者が増える=広告を見てくれる人が増える=利益が増えるという流れです。
例えばFacebookの場合、2004年にそのサービスを開始しましたが、2008年までの4年間は一切利益を求めていません。つまり、投資家からお金を集め、ひたすらサービスの質の向上・利用者の拡大につとめたのです。そして、2008年に登録者が1億人を突破したことで、初めて広告サービスを開始し、投資家に莫大な利益をもたらしました。
このように、広告モデルで成功を目指す場合、たくさんの人の喜びそうなサービスを考え、そして、いかに早く利用者を増やすかが、成功のカギと言えるでしょう。

2-2.LINEのビジネスモデル|物販モデル
LINEって聞くと、上記で紹介したGoogleやFacebookのように、広告モデルのイメージですが、実はLINEのビジネスモデルは、物販モデルなのです。では、実際にLINEはどのように儲けているのでしょうか? 実はLINEの売上の約60%はゲーム課金で、スタンプ課金が約20%です。
つまりLINEはゲームを売ったり(ゲーム内で課金させたり)スタンプを売って稼いでいる、というわけです。LINEも広告で儲けようとはしているのですが、「広告表示がウザイ」と非表示にする人が多く、あまり上手くいっていないようです。
ちなみに、LINEはSkypeなどの通話サービスより随分後発ですが、ユーザー登録の必要もなく、アプリをインストールするだけで、すぐ友達とチャットや通話が楽しめるという手軽さが、爆発的な人気につながったようです。

2-3.楽天のビジネスモデル|継続課金モデル
楽天市場は「楽天市場」というプラットフォームを構築し各店舗運営者がインターネット上で店舗を運営していくためのシステムやノウハウを提供することによって売り上げの手数料やテナント収入で収益を得ています。ユーザーから直接もらっているよりも、店舗からの手数料収入が主な収入源になっています。
楽天の莫大な利益を安定的にもたらしていたのが、継続課金モデルです。楽天では1店舗あたり、月2~10万円の出店手数料と、実際に売れた商品代金の2%~7%を徴収しています。
楽天の創業は1997年、当時すでにショッピングモールはいくつもありました。楽天の成功は、何よりも先に市場を制覇できたこと。当時、ショッピングモールの出店手数料の相場は月数十万円、それに対して楽天は月5万円と格安でした。
この安さから、たった月5万円でネット上にお店がもてると話題になり、お店の数が1998年の320店舗から、2002年には10,000店舗と、どんどん増えます。しかし実は、2002年当時、楽天は赤字でした。これを解決するため、売れた商品代金の一部を徴収しはじめたのです。
当時、三木谷社長は「従量制への移行は、もっと早い段階で実施するつもりだった。だが店舗からの離反を恐れ、決断が遅れているうちに、売れば売るほど赤字になるという不健康な状態になっていた。たとえ店が10店舗に減ってしまっても構わない、そんな不退転の決意で従量制移行を決断した」と語っています。
創業時はECモールを中心とした事業体でしたが、現在はオンライン株式販売やクレジットカード等の金利・手数料収入がグループ営業利益の過半数を占めるオンライン金融事業者でもあります。る
以上はビックビジネスに育った例ですが、スモールビジネスにおいてはなかなか独創的な発想は難しいものです。現実的に成功するには、スモールビジネスの場合は既存のビジネスを参考に次のいずれかまたは複数をかけあわせ「差別化」するのが賢い方法です。
新しいビジネスもしくは枠組みを変える場合には①新しい実現手段②新しい目的③新しい価格体系の要素についてどこかを変えることです。

3.新たなビジネスモデル構築のステップについて

①自社の現状を把握する。
③  満たされていない顧客の潜在ニーズを発見する。
④  潜在ニーズを解決するビジネスモデルを考える。 (1.2を参考に)
⑤  採算が採れるかシュミレーションする。見える化のためモデルキャンパスを利用。
⑥  そして実行に移す。一番大切なところで勇気と志が決め手です。
儲かるビジネスを参考にし、独自の発想のみを単に追い求めない。どこかに違い、得意オリジナル性を加えることに努力する事が秘訣です。

まとめ
①  参考になる企業のビジネスモデルを研究する
②  4つの構成要素を分析してみる。更に3つの機能をチェックしてみる。
③  どこかに違う要素を加えるにか変化させるかで「差別化」を図る。
④  見える化のためビジネスモデルキャンパスに落とし込んでみる
⑤  ビジネスモデル構築のステップをしっかり踏むこと。実行に移すのは。成否を分けるのは勇気と強い志です。