1.相続は死亡により開始 相続税の申告期限は10カ月以内
2.相続人の範囲と法定相続分を理解
3.相続の対象となる資産と対象にならぬ資産がある。
4.それぞれの財産には評価基準がある。
5.基礎控除についてはしっかり把握しておく

相続とは、被相続人(亡くなった方)が所有していた不動産や預貯金などの財産を引き継ぐことです。
現在の法律では、配偶者や子ども、兄弟姉妹などの家族が被相続人の財産を引き継ぐことができますが、生前に遺言書を作成することにより家族以外に財産を引き継がせることも可能です。(遺贈)
被相続人が所有していた不動産、預貯金などの財産は「相続財産」や「遺産」と呼ばれます。
 
ポイント
1.相続は死亡により開始 相続税の申告期限は10カ月以内
2.相続人の範囲と法定相続分について知る
3.相続の対象となる資産と対象にならぬ資産がある。
4.それぞれの財産には評価基準がある。
5.基礎控除についてしっかり把握する。 

1.基本の期日や数字は押さえておきましょう。知らないと損をします。
民第882条 相続は、死亡によって開始する。
相続税の申告期限は亡くなった翌日から10カ月以内に、納税も然り
すべての財産を放棄する相続放棄は3カ月以内に届け出をする。相続には単純承認・限定承認がある。

2.相続人の範囲と法定相続分について
①.配偶者は必ず法定相続人になる。
②.それ以外は優先順位がある。配偶者に加え順位が一番上の存在(直系卑属)つまり子供が亡くなっている場合は孫(代襲相続)
③.配偶者以外は,「血のつながりが濃い人」ほど、優先順位が高くなる。

2-1 分割割合と遺留分
①母と子の場合 1/2 遺留分(最低減の取り分)各1/4
②母と祖父母  母2/3 祖父母1/3 遺留分 母2/6 祖父母1/6
③母だけ 子だけ 全部 遺留分1/2
④母と叔父叔母   母3/4 叔父叔母1/4 遺留分 母のみ1/2  

3-1相続の対象となる財産
●不動産
宅地、農地、建物(マンション、アパートなど)、店舗、居宅、借地権、借家権
現金、預貯金、株券、貸付金、売掛金、小切手

●動産
自動車、家財、船舶、骨董品、宝石、貴金属、美術品
電話加入権、ゴルフ会員権、慰謝料請求権、損害賠償請求権など

●負債
借金、買掛金、住宅ローン、小切手

●未払い分
所得税、住民税、その他税金などの公租公課

●水道光熱費、固定・携帯電話代、家賃、地代(被相続人が使用していた期間分)

●入院していた病院の医療費など
※相続の対象となる財産は、亡くなった時点で残っていたプラスの財産とマイナスの財産どちらも含まれます。

3-2相続の対象にはならない財産
一身専属的な権利義務(生活保護受給・国家資格・親権・罰金など)※1
香典、弔慰金、葬儀費用 ※2
生命保険(受取人指定方法によって対象になる場合もあります)※3
死亡退職金(会社の規定により対象となる場合があります)、遺族年金など ※4
墓地、墓石、仏壇、祭具、系譜 ※5
※1「一身専属権」とは、被相続人(亡くなった方)本人でないと目的が達成され
ない権利です。

4.資産の評価について 
現金 親が死亡した日の残高
預貯金 親が死亡した日の残高
債券投資信託 親が死亡した日の時価
株式     親が死亡した日の時価(4通り) 
市街地の土地  路線価方式による評価額
自宅の建物   固定資産評価額
貸家の土地   実勢価格×80%×80%
貸家の建物  固定資産税評価額の 70%
ゴルフ会員権 取引相場の70%
家財一式   一般家庭なら30万円程度

5.相続税の基礎控除額について
3000万円+(600万円×法定相続人の人数)
●生命保険の控除額
500万円 × 法定相続人の人数
H27年の改正で基礎控除が減額・税率の見直しでその後相続税の納付が増える結果になっています。
※相続人が何人もいる場合は遺産分割協議を行います。

6.相続に関する民法改正について
【2019年1月13日に施行されるもの】
自筆証書遺言の方式緩和(一部は2020年7月10日から施行)

【2019年7月1日に施行されるもの】
預貯金の仮払い制度
配偶者への自宅贈与の持戻し免除
相続人以外への特別寄与制度の創設
不当利得(遺産の使い込み)に対する是正
遺留分制度の見直し

【2020年4月1日に施行されるもの】
配偶者居住権の確立

まとめ
1.相続は死亡により開始 相続税の申告期限は10カ月以内
2.相続人の範囲と法定相続分を理解
3.相続の対象となる資産と対象にならぬ資産がある。
4.それぞれの財産には評価基準がある。
5.基礎控除についてはしっかり把握しておく