
真面目にコツコツの生き方ではなかなか難しい世の中です。複雑多様化の中で生き残るにはしたたかに しぶとい生き方を身につけることも必要です。
生活の知恵としてのツール 戦略思考を持ち、実生活で実践して欲しいと願い スマート戦略論としてまとめてみました。何を優先的に選択するかです。
●戦略とは
色々戦略 と言う言葉を身の回りで耳にしますが 具体的に何かと言われると端的には言えないものです。今回、簡単に戦略についてまとめてみました。
戦略とは「中長期的な目的」とその実現のための「手段・シナリオ」だと言われます。
戦略の大きな構造を見てみると二つの柱があります。
良い戦略は「目的と手段」を現状分析に基づいて適切に「選択」され「集中」されたもの。つまり
戦略 = 目的 +手段 (骨格)
選択と集中 (戦略の心臓)
選択とは 優先順位 プライオリテイー重視で絞り込むことです。
集中とは 資源を短期間に一気に投入することです。
戦略策定は目的確認 現状分析 戦略目的 手段 選択 明文化等の過程で実施します。
一連の思考過程 フレームワークを大切に 常に戦略思考をもって人生のあらゆる場面で戦略を実践して欲しいものです。
●戦略の歴史
戦略は英語で“Strategy(ストラテジー)です。直接の語源はラテン語の“Strategos(ストラテゴス)”であり、この言葉は古代ギリシャで生まれました。
戦略という言葉は用いていないものの、「特定の組織が何らかの目的を達成するための道筋」をどのように立てればよいかを体系的に議論されました。それ以上に古い書物が存在します。それが「孫子の兵法書」として現代にも伝わる兵法の体系です。 同著は紀元前500年頃から、原著者である孫武や後継者と支持者の手により徐々に成立したと言われています。この書をもって戦略論の原点とする主張が大勢です。たしかに、少なくとも軍事の戦略という観点からは、間違いなく孫子の兵法書こそがその体系化の先駆けです。
戦争の過程で戦略は発展 体系化され多くの書物も残され近代では、経営部門で取り上げられ 最近は人生の知恵としても戦略が重要視されています。
●戦略の原点
世界最高の戦略書 孫子の兵法とは
「孫子」は、紀元前500年ごろの中国春秋時代の軍事思想家孫武の作とされる兵法書です。武経七書の一つ。古今東西の兵法書のうち最も著名なものの一つです。紀元前5世紀中頃から紀元前4世紀中頃あたりに成立したと推定されています。
構成は以下の13篇からなります。
計篇 – 序論。戦争を決断する以前に考慮すべき事柄について述べる。
作戦篇 – 戦争準備計画について述べる。
謀攻篇 – 実際の戦闘に拠らずして、勝利を収める方法について述べる。
形篇 – 攻撃と守備それぞれの態勢について述べる。
勢篇 – 上述の態勢から生じる軍勢の勢いについて述べる。
虚実篇 – 戦争においていかに主導性を発揮するかについて述べる。
軍争篇 – 敵軍の機先を如何に制するかについて述べる。
九変篇 – 戦局の変化に臨機応変に対応するための9つの手立てについて述べる。
行軍篇 – 軍を進める上での注意事項について述べる。
地形篇 – 地形によって戦術を変更することを説く。
九地篇 – 9種類の地勢について説明し、それに応じた戦術を説く。
火攻篇 – 火攻め戦術について述べる。
用間篇 – 「間」とは間諜を指す。すなわちスパイ。敵情偵察の重要性を説く。
この古典が後世の世に伝わり、ナポレオンも愛読 日本でも、武田信玄が軍争篇の一節より採った「風林火山」を旗指物にしていたことは有名です。ビル・ゲイツなどの名経営者が愛読したことも知られています。
●全般的特徴として
非好戦的 – 戦争を簡単に起こすことや、長期戦による国力消耗を戒める。この点について 老子思想との類縁性を指摘する研究もあります。「百戦百勝は善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり」(謀攻篇)
現実主義 – 緻密な観察眼に基づき、戦争の様々な様相を区別し、それに対応した記述を行う。「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず」(謀攻篇)
主導権の重視 – 「善く攻むる者には、敵、其の守る所を知らず。善く守る者は、敵、其の攻むる所を知らず」(虚実篇)
「戦わずして勝つ」を基本思想とする、合理的に勝つための戦略の思想です。
●弱者のランチェスター戦略について
最近経営上で注目されている戦略があります。弱者の勝利戦略として注目されています。
戦争における戦闘員の減少度合いを数理モデルにもとづいて記述した法則。一次法則と二次法則があり、前者は剣や弓矢で戦う古典的な戦闘に関する法則、後者は小銃やマシンガンといった兵器を利用した近代戦を記述する法則である。
これらの法則は1914年にフレデリック・ランチェスターが自身の著作L1916で発表したもので、原著ではこれらの法則を元に近代戦における空軍力の重要性を説いている。この論文は今日でいうオペレーションズ・リサーチの原理たる数理モデルが解いた、勝つための「弱者の戦略」と「強者の戦略」に分かれています。
第一原則 弱者の戦略 一騎打ちの法即
第二原則 強者の戦略 集中効果の法則

弱者の戦略としては目下経営上では脚光浴びています。
戦略と戦術を区別し 1:3 の価値比較を主張し、その特徴は 局地戦 接近戦 単発兵器に適用しています。戦闘力は武器効率×兵力 戦闘力は商品 サービス等に細かく応用されます
弱者は「差別化」で戦うものとし 各分野における差別化の工夫を凝らし相手に勝つ部分を見つけ 一点集中 局所優勢を採用。 決して間違って強者の戦い方をしない事としています。
(第一の法則) 弱者の合理的勝ち方を数理モデルに基づくランチェスター戦略は多くの分野に応用されています。軍事作戦の数理モデルが、日本で経営戦略として知られているのは、軍事作戦で優位性を生み出すモデルが、マーケティングや販売促進の力学と共通する部分があるためです
因みに 第二の原則は強者の原則と言われ 使い方の明確な違いがあります。
戦争を通して発展した戦略論ですが、合理性体系性を持っており、経営面では経営戦略として重要視されています。その奥深い内容を玩味し 基本考えを把握、人生のあらゆる場面で 戦略の実践を目指して欲しいものです。
まとめ
1,戦略とは「目的と手段」とからなり 「選択と集中」で効果を上げる。
2.戦略の原典は「孫子の兵法」で合理的体系的で最高の戦略古典として受け継がれている。
3.弱者の勝つ戦略としてランチェスターの第一原則がある。
4.戦略の本質を理解 常にその思考を持ち 実践で利用されたい。